「スカーレット/続・風と共に去りぬ」

    2007.10.01 Monday| 00:35 |
いつまでも夏の熱気を引きずってたのに、一夜明けたらいきなり秋。しかも晩秋の気配すら漂っております。
ここ数年ずっと云われてるけど、秋が本当に短いよね。ブラウス一着で過ごせる時期が本当に短くて、夏からあっという間に冬になってしまう、そんな雰囲気。
でも、秋の夜長って好きなんですよね。もう暑さの名残も消えて、でも冬場の寒さにはまだ至らない。夜になってちょっと肌寒くなってきた頃合いに、カーディガンを羽織ってお茶を飲みつつ読書三昧・・・至福です。
と言うことで、読書ならぬショーン・ビーン文芸シリーズ、ようやく第二弾です!
かの有名な「風と共に去りぬ」の続編として書かれた小説「スカーレット」(もちろん、作者は別人)を原作に、テレビ映画として製作された作品。ビデオ3巻、合計6時間の長丁場です。さあいくぜいっ!



「スカーレット/続・風と共に去りぬ」(1994年/アメリカ)


<第一巻>
メラニーの葬儀でアシュレーの嘆きを目にしたスカーレットは、自分が本当に愛しているのはレット・バトラーであることに気付く。彼女はもう一度出直すために生地タラへ戻り、そこで哀しくも乳母マミーの最期を看取る。いつも守ってくれたマミーの温かい胸を失ったスカーレットは、レットの愛を取り戻すべく、彼の住むチャールストンへ旅立つ・・・。

<第二巻>
レットの子供を身ごもったスカーレットのもとに、レットからの離婚証明書が届く。怒り絶望したスカーレットは、レットからそしてアメリカから遠ざかるように、父の故郷アイルランドへ旅立つ。いとこのコラムのもとに身を寄せたスカーレットは、どこかレットを思わせる英国貴族フェントンと知り合う。しかし、スカーレットの束の間の幸せはレットの再婚の知らせで脆くも崩れ去った・・・。

<第三巻>
難産の末、レットの子を出産したスカーレットだったが、レットの再婚に自暴自棄となりフェントンと深い仲に陥る。一方レットは、妻アンと生まれてくる子を猛威を振るった黄熱病で亡くしてしまう。心の底でレットを愛し続けるスカーレットは悲報を聞き、フェントンとの関係を清算しようとする。しかし、彼女がレットの胸の中に戻るためには、更に大きな試練を経なければならなかった・・・。


な、長い…。日本のお正月長時間時代劇みたいな枠での放送だったのか、それとも、連続ドラマだったのか知らないんですが、一挙に観ようなんて決して思っちゃいけません。
上記のあらすじですが、物凄く手抜きでビデオパッケージ裏面の解説をそのまま引用させて貰っちゃいました。時間が長いだけに登場人物も多いし、舞台はアメリカ・アイルランド・イギリスと大西洋をまたに掛けてあっちゃこっちゃ飛ぶし、話は複雑って程でも無いんだけど展開が派手なので、掻い摘んで書こうと思ったらそれだけで一日掛りになっちゃいそうなんだもん。
それぞれの巻の文末の「・・・」以降については、うーん、まあ、昼メロとかジェットコースタードラマとかを思い起こして想像してみてください。多分、そんなに大きくは外れないと思うよ!(ひどい言い草)
お目当てのショーン・ビーンは二巻にならないと出てきません。それについては前もって情報を得ていたので、一巻は結構辛いかなと思いつつ観始めたのですが、割とそうでもなくそれなりに面白く観ることが出来ました。
この面白いというのはですね、作品のクオリティ云々っていうのとはすこーし違うのです。うーんと、簡単に言っちゃうと好奇心ってヤツ?
「風と共に去りぬ」の原作を読んだ、もしくは往年の名作映画「風と共に去りぬ」を観た人なら、程度問題はあれ誰でも持つであろう、時を経て別の小説家の手によって描かれた続編への興味関心ゆえに面白く観れたっていうことです、多分。
ストーリー的には原作のラストから上手いこと話を繋げ、上述の通りジェットコースター的に次々と話が進んでいきます。物語に深みは感じられないけど、それなりに飽きずに観ることが出来る。
意外だったのは、途中から舞台はアイルランドに移っていったこと。スカーレットの亡父はアイルランド出身で、移民としてアメリカに渡り成功した人物なのですが、常に自分の出自を誇り故郷への想いを抱き続けていました。それを誰よりも知っていたスカーレットは、失意のどん底にある時にアイルランド行きを決意するのです。
実際にはスカーレットの現実逃避っていう要因が大きいんだけど、アイルランドに渡った彼女は、父祖の地を守り続ける父の親族達と出会い、少しずつ変わっていきます。アイルランド人とイギリス人の根深い確執や差別なども、なかなか丁寧に描かれています。このあたりの展開はなかなか上手いなーと思いました。

ご都合主義な描き方も結構あったけどね。スカーレットやレットは何度もアメリカとイギリスを行き来するんだけど、この時代、そんなに簡単に往来できるものかしら?
南北戦争(1861年〜1865年)が終わって数年後が時代背景なので、蒸気船による大西洋航海は確立されてたはずだけど、それでも飛行機でチュインッ!って飛んでくような訳にはいかないはずなのに、実に気軽に行った来たするんだよね。まあ、航海中のあれやこれやまで描いてたら、大河ドラマ並みのボリュームになっちゃうだろうけど。スカーレットのことだから、絶対、船の中でもいろいろ騒動を巻き起こすだろうし。
それと、スカーレットがスーパーウーマン過ぎます。事業もアイルランドでの村興しもどんどこ成功させちゃって、もうスカーレットのためにこの世は回ってるのか?って感じ。それなのに、レットとの仲だけは上手く行かないんだよね。
と言うか、むしろ、自ら選んで上手く行かない方向に進んでいるように見えます。この辺はアレですね、昔ながらの悲恋物のすれ違い話。
二人ともちゃんと落ち着いてお互いの想いを打ち明けあって、納得できるまで話し合えばいいのに、レットは何もかも自分で勝手に決め付けちゃってスカーレットを決して信じようとはしないし、一方のスカレーレットは思い込みで突っ走ったり、空気を読み違ったり。
確かに「風と共に去りぬ」の二人もそうだったんだけどね。でも、「風と共に〜」のレットはもうちょっとゆとりと冷静さがあったし、スカーレットは若く情熱的であるが故の未熟さっていう風に思えた。時は過ぎ去き、二人の精神的支えだったメラニーやマミーも亡くなってしまったというのに、この二人ちっとも成長してないんでやんの!と、思っちゃいました。

それとね、スカーレットのキャラがぶれてるの。
レットに対しての愛情表現や意地っぱりぶりも結構ブレブレなんだけど、まあ、人は恋愛してると不安定になるもんだからそれはまあいい。
判んないのが、賢くて目先が利くかと思ったら、空気が読めなかったり妙にお馬鹿だったりするところ。
第三巻の大詰めで、スカーレットは殺人の罪に問われます。スカーレットのロンドンの舘で同衾していたフェントン卿が殺され、ナイフを握り締め叫んでいたスカーレットが逮捕され法廷に掛けられるんだけど、実は真犯人はフェントン卿に弄ばれ彼を恨んでいたスカーレットの小間使い。彼女は悩み苦しんだ挙句に眠り込んでいたフェントン卿を刺し殺してしまい、屋敷を出奔します。普通、殺人のあった夜に忽然と姿を消した人物がいたら、いくら状況的にスカーレットが怪しくても、少しはそのもう一人の人物を疑ったり探したりしない?
ところが、屋敷の使用人たちも含め皆がスカーレットを犯人だと信じて疑わないし、ロンドン警察も端から決め付けて掛かってて、小間使いを探そうともしやしない。まあ、時代的に警察なんてそんな程度だったのかもしれないけど、
小間使いとフェントン卿の間柄を知っていたスカーレットですら、彼女が人を殺すなんて絶対に有り得ないとか言い出します。
しかもスカーレットってば、わざわざ打ち明ける必要性なんて全く無い過去の自分の殺人(前作でのエピソード。戦争中、レイプされそうになって銃で相手を撃ち殺した)をぺラっと話しちゃうし。それでもって、スカーレットはますます犯人だって決め付けられちゃうんだよ?途中までも利口なんだかお馬鹿さんなんだか判らなかったけど、やっぱりお馬鹿さん?

キャラクターの矛盾といえば、この小間使いも相当のモンでした。信仰が篤くアイルランド人である自分を誇りに思ってる清純な乙女にしては、アイルランド人を侮蔑し憎んでいるフェントン卿に身体を任せるってどうよ?最初はね、そるりゃあ騙されたのかもしれないけどね。
挙句にフェントン卿を刺し殺して逃げ出しちゃうんだけど、それによってスカーレットが濡れ衣を被せられる。
彼女にとってスカーレットは大恩人のはずなのに、すたこら逃げ出して、彼女が裁判で死刑判決を受けるかもしれないという噂を聞くと神に懺悔して涙にくれる・・・。スカーレットに懺悔しろよ!あー、はきつかない。いらいらする女だなあ!!

コホン・・・少し落ち着きましょう。まあ、上記でちょっと熱くなりましたが、物語は予想通りに展開します。
そう、レットがアメリカから駆けつけスカーレットを救うために奔走し、最終的に小間使いを探し出して彼女を説得し、スカーレットは無事に釈放されます。
物語のラストではこれまた予想通り、スカーレットとレットはお互いの愛情を確認し、再び一緒に生きていくことに合意して、めでたしめでたし。
うーん、やっぱり昼メロかハーレクイン(読んだこと無いけど)って感じかなあ。あまり深く考えないで、物語に身を任せて観てる分にはそれなりに面白い作品。でも、それだけなんだけどね。感動は別に無い。
まあ、そんな風にブツクサ考えつつも、ショーン演じるところのフェントン卿が登場するまで眠くもならず、フェントン卿が殺されちゃってからの1時間以上の時間も放り出すことなく観れたのは幸いと言うものかな。

スカーレットを演じたジョアンヌ・ウォーリーですが、うーん、鼻っ柱の強い美人っていう意味では役柄にあってるんだろうけど、安っぽいと言うか風格が無い。ヴィヴィアン・リーが演じたところのスカーレット・オハラのようなスケール感が無いのです。頑張って演じてたけどね、これは容姿も含めたキャラクターの問題。キャスティングが悪かったとしか言いようが無い。
レット・バトラーはティモシー・ダルトン、4代目のボンドさんです。彼はまあまあって感じかな。おおらかでクラシックな雰囲気を作ってて、なかなかにレットしてました。
ただ、これはやっぱり脚本の問題だと思うけど、前作のレットに比べて、少しばかり大人気ない感じはしたね。やっぱり、すこしばかり小者だったように思う。

さあて、これが最終目的であるところのショーン・ビーン。
がちがちの貴族至上主義者で差別主義者、上述の小間使いに手を付けたのは性欲と嗜虐欲を解消するためだけというサディストです。劇中では明確に描写してないけど、縛って打って蝋燭使ったりしてるっぽい。
悪くて酷くて表面だけは上品に取り繕ってる最低の男なんだけど、これがメチャクチャ綺麗な男なんだよねえ。
いや、ホントに半端無いっていう位の美貌です。優雅で綺麗で悪くて色っぽい男。歌舞伎で言うところの色悪そのものっていう感じ。この「スカーレット」におけるショーンの悪くて綺麗な男ぶりについては、以前alexさんが言及されておりましたが、自分の眼で見て百回くらい頷かされましたよ。
クラシックな貴族の衣装がスタイルの良さを際立たせています。広い肩と引き締まった細腰、長い足をこれでもかっていうくらいに見せ付けてくれます。金髪を撫で付けてるんだけど、これは当時の風俗なのかしら、少しだけ揉み上げが長く整えてあって、これがまた色男ぶりを引き立ててます。
私、あんまり揉み上げ長いのって好みじゃないんだけど、このフェントン卿の揉み上げに関してはこれでなきゃいけないって気がしました。ヘアメイクさん、グッジョブ!

ショーンを観賞するという目的だけで、この長々しい作品を観る価値は十分にあります。マジで、中古市場を漁ろうかと。1巻はいらないけどね!ショーン出てこないから。

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