納涼ホラー第二弾「ザ・ダーク」

    2007.08.21 Tuesday| 23:05 |
暑さ対策、納涼ホラーシリーズ!とか言っときながら、「ヤクザvsマフィア」に脳内発酵&暴走し。そのまんま夏休みに入ってしまって、怖い話は一体どこに?
いやいや猛暑はまだまだ続く、むしろこれからが本番って事で、納涼ホラーシリーズ、ようやっと第二弾です。



「ザ・ダーク」(2005年、アメリカ)

離婚して一人娘のサラと暮らしていたアデルは、元の夫であるジェームズが住むウェールズの地を訪ねた。
画家であるジェームズがアトリエ兼住居としている一軒家には、かつての住人の持ち物らしい様々な古道具が遺っていた。ひとしきり家の探検を済ませたサラは一人で海岸まで散歩に出るが、その後行方不明になってしまう。
ジェームズや地元の人々が探してもサラは見つからない。サラの死を信じないアデルは必死の捜索を続け、この地とこの家にまつわる古い伝説と忌まわしい事件を探り出す。そして、伝説の少女エブリルが姿を現した…。


「サイレントヒル」に続いての、ショーン出演作です。
古い伝説と親子の歪んだ愛によって引き起こされた過去の忌まわしい事件、怨念が凝り固まって実体化する恐ろしい出来事…なんだかとっても馴染みやすいシチュエーション。
ゴシックホラーと言うか、あ、そうそう、むしろ日本の昔ながらの因縁話に近い雰囲気なんです。そういう意味では、「サイレントヒル」よりは遥かに入り込んで観ることが出来ました。

ストーリーも脚本も丁寧に作りこんである印象。キャラクターやエピソードの一つ一つにリアリティがあるのです。
例えば、アデルとサラの母子関係。物語の途中から明かされるんだけど、二人は実は険悪な状況下にあったんですね。
離婚してニューヨークに住んでいるアデルは、奔放とまでは言わないまでもかなりきままな生活を送っています。当然ながらサラは、母の行動や言動に大いなる嫌悪感を抱いてるし、父ジェームズと引き離され生活していることも気に入らない。
一方のアデルは、サラの自分に向ける厳しい視線に過剰反応し、逆に攻撃的に娘を責めてしてしまったりする。
二人とも心理的に追い詰められた状況にあり、多分、この状況を何とかしようとしてウェールズの田舎に住むジェームズの元を訪ねたんだと思う。このあたり、アデルを演じるマリア・ベロとサラ役のソフィー・スタッキーが実に巧みに演じてました。
ショーン演じるところのジェームズですが、これがまたいいんですよ。娘サラへの愛情の深さや、元の妻であるアデルへの気遣いがこれでもかっていうくらいに伝わってくるのです。不器用で感情表現も世渡りも上手くないけど、愛情たっぷりのお父さん。
「サイレントヒル」との最大の違いはこの辺かなと。あちらの登場人物のほとんどがまるでゲームのキャラクターのようで、影が薄く人間味を感じなかったのに対し、「ザ・ダーク」の登場人物はちゃんと血肉を供えた人間で、その感情や恐怖がちゃんと伝わってきた。

ただね、どうにもこれは如何なものだろうと思ったのが、物語のキモである因縁話。
例によって思いっきりネタバレですが、この土地には古くから、誰か一人が死ぬことで誰か一人を蘇らせることが出来るという伝説があったのです。
そして数十年前に、それを実現させようとした宗教グループの指導者がいたというのが物語の発端。彼は、現在ジェームズが住んでいるこの家に娘と二人で住んでいたんだけど、娘が不治の病に掛かってしまった。その病気を治そうと呪術的な開頭術を施すものの娘を助けることは出来ず、娘が死んでしまうと、自分が指導する宗教グループのメンバーを自殺に追い込み、彼らを身代わりに娘を蘇らせようとするが失敗したという。
いや、このエピソード自体はホラー映画としてはありだと思うし、良いんですよ。洗脳され誘導されたメンバーたちが荷物を手に断崖から身を投げるシーンなんかは、おぞましい状況と淡々とした映像が相まってなかなかの雰囲気だったし。
問題なのは、その当の少女。難病を患った挙句、拷問に近いような治療を施され結局は死んでいったエブリル。彼女が数十年を経て、いきなり実体化して現れてしまうこと!
いや、どこかのホラー映画みたいに、井戸から現れたりテレビから這い出してくるんならそれはそれなんだけど、そうじゃなくて、ちゃんとした人間として突如出現するのね。
要するに古の伝説の通りサラを身代わりに蘇ったということなんだけど、挙句、アデルからそういった因縁話を聞いてはいても信じていなかったジェームズが病院に運び込んでしまうのです。病室のベッドに横になって点滴を受ける蘇った少女…うーん、なんだかマンガチック。しかも、ギャグ。
ここらへんで急激に、ホラーの雰囲気が薄れちゃってね。なんだかちっとも怖くなくなってしまった。
ジェームズは、このエブリルを死んだ(と思い込んだ)サラの替わりに養女にしようと考えたりするし、このやたらと現実的な展開は一体何?

映画のラストはどんでん返しもあり、怖いっちゃ怖い終わり方だったんだけど、この途中の展開の所為でなんだかとっても中途半端な印象だった。
ホラーだの恐怖だの因縁だのっていうよりは、むしろ、不条理な状況で引き裂かれた母子の悲劇、もしくは、なんとしても娘を取り戻そうとすることによって復活する母親の愛情再生物語っていう感じ。心理サスペンス的雰囲気もあるんだけど、そう言うには非科学的要素が大きすぎるし。

うーん、結局は、脚本の整理不足なのかしら。物語に深みを与えようとしていろいろ詰め込んだら逆に散漫になっちゃった、みたいな。
「サイレントヒル」よりは楽しめました。結末はどうなるんだろうっていうドキドキ感もあったし、ある程度予想範囲だったとは言え、結末もホラーっぽく決まってた。
役者陣が揃って良かったのは前述の通り。人間の強さや哀しさや醜い感情、恐怖をリアルに表現し演じてました。
だ か らー、なんでエブリルが実体化しちゃうのよ。衰弱して病院担ぎ込まれちゃうのよ。そこだけ、物語と物語的論理が破綻しちゃってるんだよね。あー、勿体無い。

ショーン。洗いざらして襟元が伸びちゃったトレーナーに、よれたジーンズ姿。髪は少し長めで、ちょっとぼさついてます。田舎住まいの芸術家って言えばそう見えないことも無いけど、むしろ、普段から身なりを気にしないお父さんが休暇中なので尚更どうでもよい格好をしてるっていう雰囲気。
実に素敵でした!
だってー、ショーンって、悪役かコスチュームプレイが圧倒的に多いじゃない?こういう普通のお父さん役って珍しいじゃない?なんだか、素のショーンを垣間見れた感じで嬉しいじゃないか!
いや、もちろん、シチュエーション的には全然普通じゃないんだけど、サラやエイブリルをギュッと抱き締めるところとか、頭の天辺にキスを落とすところとか、なんだかとってもリアルなんだもん。
ショーンって3人のお嬢さんのパパなんだよね♪とかついつい考えてしまって、映画に関係ないところで萌えてしまった。
これだから、ファンっていうのは困りモノですね。

コメント
>rinzuさん

そうですねー、現代的ホラーっていうよりは、全体にもっとクラシカルな雰囲気だった。そういう意味でも「サイレントヒル」とは好対照。
どちらの映画も、娘を取り返そうと必死になる母親と無力な父親というごく近い設定なんだけど、随分雰囲気が違います。私は「ザ・ダーク」のほうが全然観れた。「サイレントヒル」なんて、一番盛り上がった(であろう)あたりで、眠くなっちゃったし(笑)。

そうそう、アベル役のマリア・ベロはヴィゴの「ヒストリー・オブ・バイオレンス」でも奥さん役をやってましたね〜。どちらも戦うお母さん、決して見惚れるくらいの美人さんって云うんではないけど、凛とした力強さが感じられて好感の持てる女優さんでした。
ヴィゴとショーンの奥さん役…うん、確かに羨ましい。
「ヒストリー〜」はヴィゴもとっても良いし作品的にもすごく好きなんだけど、萌えどころ沢山でありながら真面目に語りたくなる作品なので、まだ感想を書けてないんですよね。
気持ちが入りすぎるとなかなか文章化出来ない。
「ヤクザvsマフィア」とか「悪魔のいけにけ3」みたいに萌え先行なら、後先考えずに叫べるんだけど。
きゃん様、ショーン街道も突っ走っていますね。(^_^)v
これってヴィゴ・ファンには、マリア・ベロさんが出演するので有名ですね。
マリアさんと言えば、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」!ヴィゴともショーンとも奥様役・・・なんてファンにとっては羨ましい!!
ホラーでなくて、「古典的スリラー」という風味ですね。(ちょこっと興味)(^_^)
  • rinzu
  • 2007/08/22 4:52 PM
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